Mamborama は、Bill Wolfer のプロジェクトと言えばいいのだろうか。Yuma = 米国人 Bill による、キューバ音楽のユニットである。
Bill Walfer は、米国ワイオミングのシャイアンで生まれ、15歳でプロデビュー、20歳までその地で過ごす。
ワイオミング大学やバークリーに学ぶ。
元々は Pop 、R&B 、AOR でその名が知られ、The Jacksons や Michael Jackson のツアーに参加したり、"Thriller" ではシンセサイザーの他プログラミングも担当、Shalamar の "Look"、"Heartbreak" 、"Dancing In The Sheets"、Finis Henderson の "FINIS" などをプロデュースしたことでも知られる。また、Stevie Wonder の "Hotter Than July" や "the Secret Life of Plants" でプログラミングしたり、Paul McCartney 、Diana Ross などのアルバムにも参加している。
このように、白人でありながらブラック・ミュージックで80年代に大活躍し、プログラミング・ミュージックの先駆けと言われている。その作品で、グラミーにノミネートされたこともある。どれだかわからないんだけど。
その後ニュー・エイジのレーベルに移籍、3枚のインストルメントのアルバムを出して成功した。
自身のアルバムは、1982年に "WOLF" と "'the Hard Way" 、またこれらを2002年にボーナストラックをプラスしてリイシューした "
Call Me - The Best of Bill Wolfer
" 、89年の "And It Rained All through the Night " 、90年の "
Caught in the Blue Light
" などがある。
その Bill が、キューバ音楽を "発見" した。「もっとも僕は、コロンブスでもライ・クーダーでもないけどね。」
実は、Bill とキューバ音楽の出会いは、Bill を懐妊中のご両親がキューバ旅行をした際の、Bebo Valdés が音楽監督をしていた Tropicana で。キューバ革命以前のことである。腹の中で聴いていたに違いないと、本人は信じている。
年月は流れ、サンディエゴで行なわれた Chucho Valdés & Irakere のコンサートでラテン音楽を知り、その夜に Afro-Cuban music をどのように演奏するのか習おうと決めたそうだ。
その後パームスプリングスで月2回程度知り合いのミュージシャンと楽しむためにギグを始め、同時に作り出した曲が充分になってからライブをするようになった。その頃はメンバーは全員キューバ音楽の演奏の仕方は習っていたが、Sergio Mendez と10年演奏をしていた Alan Diaz のみがキューバ人だった。
ある夜、観客の反応がとても良くレコーディングを決意し、それに先立ってキューバに赴き、Manolito Simonet や当時の KLIMAX メンバーの Marcos Greco に演奏を習い、多くのミュージシャンと友人となったそうだ。
2000年に発売された初アルバム "
Night of the Living Mambo
" は、米国西海岸で活躍するラテンジャズ奏者によるもの。
Bill Wolfer - Piano, mini-moog, coro
Alan Diaz - Drums and coro
Bill Saitta - Bass and coro
Humberto "Nengue" Hernandez - Congas, bongos, maracas, guiro
Jimmy Branly - Timbales
Rod Kokolj Tenor sax, flute
John Gronberg - Trumpet, flugelhorn, coro
Luis Eric - Trumpet
Art Webb - Flute on cuts 2,3, and 9
Susie Hansen - Violin on cuts 5 and 7
その頃の Bill へのインタビュー記事が
The Latin Jazz Network にある。
このアルバムはまずイタリアで火が点き、スイス、スペイン、オランダでヒットするようになり、2002年にヨーロッパツアーをした。
Mamborama の音楽は、modern Cuban rhythms と Jazz や R&B のブレンドであり、Songo や Timba のように traditional Cuban Son と Descarga を根に持つ。
2枚目、2003年の "
Entre la Habana y el Yuma
" では、キューバで Manolito Simonet y su Trabuco メンバーを中心としたキューバ人ミュージシャンと録音したものと米国でのそれをミックスした。
「可能な限りオーセンティックなものにしたくて、キューバのミュージシャンには「葉巻の香りがするようなキューバの音が欲しい。」と言ったが、一方、オーセンティック過ぎるものにしたくもなかった。いずれにしろ私は米国人で、それに依りキューバンと米国のジャズのブレンドによる新しい私たちの音楽が作れるといいと思った。」
Luis Eric, Alexander Abreu - Trumpets, coro
Francisco Torres, Amaury Pérez Rodriguez - Trombones, coro
Art Webb - Flute
Bill Wolfer - Piano, sythesizers
Jimmy Branly - Drums, timbales
Coky Garcia - Congas, percussion
Lary Barilleau - Bata
Rigoberto Lopez - Bass
Sixto "El Indio" Llorente - Vocals, coro
Julio Padrón - Trumpet solo
Ricardo Amaray Fernandez - Coro
Roicel Riverón - Drums, timbales
Evelio Delfin Ramos - Congas
Jorge Luis Guerra - Güiro
Eduado Mora, Yandy Martinez - Bass
David Bencomo - Flute, coro
Rod Kokolj - Flute
César "Pupy" Pedroso - Piano solo
Geraldo Piloto - Drums
Manolito Simonet - Piano solo, plus more...
2005年2月には、ヨーロッパツアーをした。
Trabuco から9人と Alexander Ableu ともうひとり、Manolito のツアーに合わせてやったのではなく、Manolito から許可を得てメンバーを借り、Mamborama の為のツアーだったそうだ。
メンバーは、Sixto "El Indio" Llorente 、David Bencomo 、Eduado Mora 、Roicel Riverón 、Alexander Abreu など、カンタンテ、コロ、フルート、ベース、ドラムス、コンガ、トランペット×2、トロンボーン×2とピアノ。もうひとりは?
こういった活動が認められてか、CUBADISCO 2005 Música Bailable 部門にノミネートされる。これは、キューバ以外のグループ初の快挙。
2006年 "
Directamente al Mambo
" をリリース。
Bill Wolfer - Piano, synthesizer, keyboard
Carlos Manuel Kalunga - Lead vocals
Javier Durán Webb "El Doctor" & Hanier Gonzalez Martinez "Flipper"(Cubanito 20.02)- Rap
Roberto Hernandez "Robertón" (Los Van Van)- Lead locals
Alexei Sanchez Mesa "El Nene" - Lead vocals
Tony Calá - Lead vocals
Roicel Riverón - Drums, timbales
Evelio Ramos - Congas, campana
Jorge Luis Guerra - Güiro
Sixto Llorente "El Indio" - Coro
David Bencomo - Flute, Coro
José Gómez "Pepito" - Lead vocals, Coro
Robin Martinez Galvez, Alexander Abreu - Trumpets
Amaury Pérez - Trombones
Feliciano Arango, Roberto Vazquez Ley "El Chino", Reinier Irrizarrri "El Negrón" - Bass
Jose Luis Cortés "El Tosco" - Flute
Silverio Luis Suares "Pasito" - Spoken voice
Nicolas Gastán Hernandez "Pascado" - Violin
Mamborama はレコーディングを重ねる度、より Bailable に向かっているように思う。
それはもしかすると、Bill がキューバで踊る人々に触れ、オーディエンスを踊らせる喜びを見出したからかもしれない。どーだろう?
Mamborama を聴いたとき、すっごいキューバ音楽マニアな外国人が作った音楽って印象を受けた。それは2枚目の CD だったので、多くのキューバ人ミュージシャンが参加したもの。でもどうしてもキューバ人の作品とは思えなかった。
アルバムに参加したとあるキューバ人ミュージシャンによると、「あれは彼の作品じゃないよ。ほとんど Manolito の、、ほら、彼がやってたよ。あの米国人は、何もしていない。」と言ってたけど、彼はほんの1曲参加しただけなので、勘違いしてるんじゃないかなぁ?と思ったり。。
アルバム制作のブレインとなっているのは、おそらく Sixto Llorente "El Indio" と David Bencomo だと思う。
Bill に訊いてみた。
「あなたは、キューバ音楽をやっているの?それともあなたの音楽をやっているの?」
「僕の音楽だよ。」
きっとそうなんだと思う。
だって、私にはキューバ人のものの様には聴こえないんだもの。
最近 Bill は、思い出したように更新する
MAMBO BLOGRAMA の他に、
WOLFBLOGS を精力的に書き綴っている。
これは、インターネット上の音楽無料ダウンロードに反対する意見表明の為の Blog 。
キューバでレコーディングする際のあれこれなども書いてあって、読むと興味深いかも。
それはそうと、MAMBO BLOGRAMA の方にも、かなり興味深いこといろいろ書いてます。
Timba.com の Melao さん Poll で、"米国の Timba グループ" にカテゴライズされたのがお気に召さぬようで、「2002年以来米国でライブなんてやってねーよ。my guys を Habana から連れてこられるようになるまでやらねーよ。俺が Yuma だってだけじゃねーかよ。」と息巻いておられる。いや、こんな言葉遣いなさる方ではないのですがね。熱い思いを胸に、語り口はとても穏やかな方です。
また、次のアルバムについても。キューバと米国のミュージシャンによるものになるようで、ゲストミュージシャンの名が上げられている。
1月にキューバで会ったとき既にレコーディングは始まっており見学させてもらえることになってたのだけど、ちょうどその日、レコーディングスタジオの都合でそこでのレコーディングが出来なくて、その日は Samuel が演奏することになっていたから驚かそうと思ってたのに出来なくて残念!って感じで。。。代わりに Bill の自宅にあるスタジオ "Estudio Fula" でできるものを録音することになり、Bill に「来ないの?」と訊かれたのだけど、帰国直前だったこととちょっと遠慮してしまったので、行かなかったんだよねー。。これも残念。選択を誤ったか?
このアルバムは、2008年に Ahi Nama から発売される模様。
ちなみに Blog に書いてあるけど、
MySpace もあります。