久し振りに映画 "ミュージック・クバーナ" を観ました。映画館での上映を見逃してしまったので、前回と同様、ドイツ語字幕のスペイン語 DVD で。なので、やっぱりちゃんとは理解しきれない。
けれども、7ヶ月のキューバ滞在を経て少しは UP したスペイン語力で観た今回は、この映画が何を伝えようとしたものなのか、少しわかった気がする。
キューバ音楽は、どこから来て、何を運んで、どのように変容していくのか、未来に向かって。そんなことなのかな?
トータル1年半以上キューバに滞在してスペイン語まみれで生活してても、まだまだなスペイン語力、情けない。。
観終わって、しばし放心。
スペイン語を聞き取ろうと頭を働かせ過ぎちゃったからか?
いやいや、映画から溢れる音楽に由って。
映像自体からも、音が溢れ出ているようだった。
空の青とのコントラストが素晴らしいキューバの風景、人々、フォトジェニックな "CUBA" 、のみならず、冬の東京の凛とした空気までもが美しかった。
そして、Musicos の音楽に対する姿勢。
ルーツ、根っこにあるもの、養分としてきたもの、どのように成長し、枝を広げて葉っぱから何を吸収し、どんな花を咲かせようとしているのか。
彼らの誇り。
随所に、キューバ音楽を知る手がかりを孕んでいる。
Afrocubana にはほんの少し触れただけだし、Trova や Nueva Canción については目を向けていないにしても。
先祖がコンゴ出身であると言う Mayito により、キューバ人の成り立ちが語られる。Mezcla (Mixd=混ぜ合わせ)。
Nuava Canción の流れを汲むと思われる Rap を自在に繰り出す新世代代表のように見える Telmary が、「キューバのトラディショナルなリズム抜きには HipHop には興味がない」と語るところに、Música Cubana の真髄がある。
しかしそのトラディショナルなものも、Julio Padrón が「Beny Moré はいつも Charlie Parker から学んでいたに違いない」と Mezcla であることに言及している。
El Nene は「僕は常に先人から学んでいる。」と言い、そして Cotó が「俺達が作っているのは、トラディショナルな音楽と現代の音楽の融合なんだ。」と。
Osdalgia は「古いものをやるのではなく、私たち固有のものも出来るのよね。」と確認する。
Mezcla により生まれたキューバ音楽が、Mezcla により成長し続ける。
その根底にあるものが、キューバ音楽を形作る。Forma (Form=形・やり方)。
Somos Cubanos の コロ "de Cuba vengo, de Cuba soy" が繰り返され、最後に Pio が語る。
Yo vivo todo que cambia.
Cambia la vida en ciertas cosas.
Pero no se puede cambia nunca es la forma de ser.
Ser lo que tu eres hoy, ser lo mañana, ser lo pasado, hasta que te muera.
Nosotros decimos "Tener la conciencia limpia".
Eso así.
変わらないのは、何者であるかということ。
東京ライブ場面で、ベース音の中次々に登場する メンバー 、あの時の期待に満ち溢れた会場を思い出し、鳥肌。
あのライブで、キューバ音楽の底力を知った。凄かった。圧巻だった。
絶対にキューバに行かなきゃと思った。
この "Música Cubana Live in Tokyo" は、El Sur で再入荷待ち。
これほど凄いライブは、Cuba でも滅多にお目にかかれない。
あの醍醐味を味わった方にも、逃してしまった方にも、超お薦め。
サウンド・トラック もあるんだけどね。
そのときは誰が誰だかほとんどわかってなかったけど、今ではほとんどの Musicos が誰だかわかり、ありゃりゃあの中にいたのかー!って人も何人もいたし、中にはその後個人的に知り合いとなった人達もいたし、なんと、我が Fariña まで Callejon de Hammel の場面で出てた。まったく食わせ者なジジイであることよ。
ベースとなるグループが Interactivo だったということも驚きだし、誰がどうメンバーをピックアップしていったのだろうか?
音楽監督が Interactivo や Yusa 、Telmary などで旋風を起こした Roberto Carcassés ではなくて Pupy だったのは、冒険しすぎない為であろうか。
豪華すぎるメンバーである。誰もが引っ張りだこの、今を時めく人達。
これらのメンバーについては、映画のオフィシャルサイトやタイトロールにすら名前が出なかった Musicos(Fariña もだけどそれ以外)を含めて、近々書こうと思う。
仲良しモードの Cotó がインタビューはないけどけっこう要っぽいように私には見えたのが、ホクホクであった。
(どうりでこの映画について知りたがっていたはずだ。日本人を見ても、ドイツ人を見ても、「映画を観たか?どうだったか?」と質問しまくり。たぶん、本人は観ていない模様。この映画、キューバの映画祭で3回くらい上映されたはずなんだけど。)
「このプロジェクトで何をしようって言うのか」との話し合いで初めに歌いだしたのも Cotó だったし、どの場面でもカラフルな衣装でノリノリで弾きまくってたし、「俺達が作っているのは、トラディショナルな音楽と現代の音楽の融合なんだ。」という言葉。
街角で缶を叩く子ども達、音楽高校の生徒達、そして Cotó のお嬢ちゃまたち。父の奏でるトレスギターに合わせ、その日の出来事を Soneo(インプロヴィゼーション)する。
受け継がれていくのだ。
Pio と若手 Musicos の交流も、温かかった。
キューバの Musicos は Musicos に対する尊敬の念が強く、Pio に対してはキューバではほとんどの場合使われない尊敬2人称 Usted が使われていたし、Pio は Pio で、素晴らしい Musico に出合った時には尊敬のまなざしで見つめて感激を口にする。
Pio はお茶目でかわいかった。キューバの多くのジジイがそうであるように。
「わしゃまだ死んじゃいない。」と言ってた Pio が亡くなってしまったのは、悲しいね。。
トラックバックスパムが多い為ここではトラックバックを受け付けてないのに申し訳ないのですが、今回は映画の感想等お書きになっていらっしゃる方々に TB してみました。映画のみに終わらず、キューバ音楽に興味を持っていただきたいので。
以下、TB 先をご紹介。
LOUD
かたすみの映画小屋
茅ヶ崎からのお便り
気分はシネマニア
Funky Sensasion
taka-shit!
鉛の飛行船
OUT TO LUNCH
高知では、こんな素敵な企画もあります。
高知県立美術館 秋の定期上映会「シネマ&ミュージック」
全般 | comment(6) |
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comment
きゃー
ぞくぞくする〜。
見たい!私もミュージッククバーナ見られなかったの。
DVDはどこで入手?
2006/10/19 11:29 | noritops [ 編集 ]
たぶん
Disc Union で売ってると思う。
これは、ドイツだかオランダだかからインターネット購入した友人から借りたの。
ストーリー展開は、稚屈。
でも。知ってる単語だけ英語で話して英語しゃべってる気になっちゃってるとことか、やたら「ハイ!」を連発するとことか、まんまキューバ人で笑っちゃう。
2006/10/19 16:46 | macomoco [ 編集 ]
macomocoさん、こんばんわ
Funky Sensationのballyです。
コメントとTB、そしてオススメ・ア−ティストのご紹介も頂きましてありがとうございました。
私はキューバの音楽にも文化にも造詣はありませんし、ましてや言葉もわかりません。それでも映画を観た中で「素晴らしい」と感じました。
それが音楽の素敵なところであり、力なのだろうなと思います。
せっかくなので、またこちらに伺って少しづつキューバのこと勉強させて頂きます。よろしくお願いします。
2006/10/20 02:34 | bally [ 編集 ]
そうですね
英語の歌も、スペイン語の歌も、なんて歌ってるかわからなくても、伝わってくるものがありますよね。言葉が重要な意味を持つ曲もあるでしょうが、旋律や音での表現もありますし。
私は、よくわかんないけど気持ちいい!楽しい!から入りました。未だにその域を出てないけど、楽しいんですもの。それでいいです。
勉強することなんて、ないです。せっかくなのでもっといろいろ聴いて、気持ち良くなって頂きたいです。楽しんでください。
こちらこそ、よろしくお願いします。
2006/10/20 03:02 | macomoco [ 編集 ]
はじめまして
先週劇場で観賞いたしました。
ほんとうに良い作品でした。
あのライブを体験されたとはうらやましいかぎりです。
音楽って素晴らしい!
ほんと、そうですよね。
いつもたくさんの喜びを貰っています。
あのライブも、本当に素晴らしかったです。
是非 DVD ででもご覧いただきたいです。
発生さんは、映画と音楽に情熱を持っていらっしゃいますよね。
私も、モーツァルトに生き返ってもらって、今の機材や世界中のルーツミュージックに見られる楽器やリズムを知った上で曲作ってもらいたいな〜と思います。
2006/10/29 20:26 | macomoco [ 編集 ]
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